この話は本当に私が経験した話である。
まず私の自宅の郵便受けを見てほしい。
新しい家ならこうはなっていないだろうが、玄関にダイレクトに郵便受けがついているだけ。
郵便物はそのまま中に放り込まれる仕組みだ。
これは全員ではないと思うので書いておく。
このタイプの郵便受けだと普段から時々**「覗かれる」**
これはリアルだ。
家の中がダイレクトに見えるので結構**「覗かれる」**
うん、怖い。
とは言ったが、実はそれほど怖い話ではなかったりする。
というのも大体覗くのは近所のじいちゃんばあちゃんがピンポン押しても誰も出なかった時。
「おーい。◯◯さーん」なんてここを開けてよく呼ばれた。
田舎なので近隣のつながりは強い。
....というのもかれこれ10年以上前の話。
最近はこういうのもプライバシーで気にする時代。
覗く人はめっきり減った。
とは言ったが、やっぱり覗く人がいる。
ほんといる。
が、おおよそ「押し売り」の人だ。
「押し売り」の人は「居留守使い」に慣れており、居留守していないかどうかをここからチェックする。
直接目があったことはないが大体押し売りに対し居留守を使っている場合
このポストが開く「カチャッ」という音が響くのですぐ分かる。
まぁとにかく、**中に人がいるか確認する目的で覗かれることがある。**これが怖い。
さて本題。
その日、深夜に固定電話がなった。固定電話はめったに使わないのだが母がどうしてもというので置いてある。
深夜といってもまだ24時まわっていないので特別不審に思っていたわけではない。
普段はこの電話出ないのだが時間が時間だけに親族になにかあった電話だったら怖いのでその日電話に出てみた。
電話にでたもののすぐに切れた。
既に怖い。
そう、この日。
この日その数分後に先程言った**「カチャッ」**っと音がした。
ポストが開く音だ。
ん?なにかの聞き間違いか?家が軋んでるのか?
リビングは玄関のすぐ隣の部屋なので、カーテンを開ければ玄関が見える。
カーテンは閉まっているので直接は見えない。
「確認しよう」
窓の方へ寄っていくと....
動いた...
カーテンの下からかすかに入っている玄関の明かりのゆらぎから
明らかに何かが動いたのが分かる。
もうこの時点で心臓が終わりを告げている。
さらに追い打ちでもう一回「ポストが開く音」が聞こえる。
もうこれは100%郵便受けから家の中を覗いてる音だ。
俺死んだわ。
死を覚悟した。
すでに想像の中でいちど死んだので、玄関へ出てみる。
恐る恐る....
きた!
ポストが空いた。
やばい。何回も開けてくるのはマジでやばい。
いやほんと、一回ならともかく何回なか見るんや!
うわぁあああ!
うわぁあ
ああ
あああああああ
うおおおおおおおおお
おおおおおお
うおほおおおおおおおお
あqwせdfrtgyふじこlp;@
ポストからちらっと手が!!!!!!
手?
が・・・・!?
手は手だったが、かわいい手だった。
なんと........
猫だった!
猫の手だったのだ!!!!!!
猫ちゃんかーい。
あーびっくりした。
野良の猫だった。
うん。なんで猫がポストから手を出しているのか。
というかなぜ手が届く?
ポスト結構高い位置にあるんだが。
そういえばポストの前に台を置いていた。
母が買い物から帰ったあと、買い物袋を地面に置いて中腰で家の鍵を探しながらため息を付いていたのを見て
私が廃材を手前に置いてスーパーの袋をわざわざ中腰で下に置かなくて良いようにしたのだった。
まぁ見た目は汚いけど...。
実はわたしの家の周りにはヤモリが沢山いる。
都会に住んでいる人には気持ち悪い存在かもしれないが、ヤモリは害がなくむしろ小さな虫を食べるので害虫駆除に役に立っている。
なによりよく見ると結構可愛い顔をしている。
で、この写真のガラス。
ヤモリはガラスにくっつくのが好きなのでよくここにくっついているのだ。
恐らく猫がヤモリを追ってこのポスト前にたどり着いたのだと思う。
ちょうどこの上にヤモリがいたらポストに手が当たる。
はぁー。
想像の中で一度死んでいるが気がついたら私はまだ生きていた。電話もただの偶然。
生きていてよかった。
皆も頑張って生きてほしい。
ヤモリも猫も私も
必死で生きているのだ。
以上である。