2020-03-16

私が万年筆を買った理由

ノートに書く勉強法は糞だと思っていた私が、時々万年筆を使ってノートに書いている理由を書く。

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私は字が汚い

私はとにかく字が汚い。ひらがなが汚すぎて私の「あ」の書き方をモノマネする学校のクラスムーブメントすらあった。

私はとにかく字が汚い。だからペンを持つのも嫌で仕事も私生活も文字を書かなければいけない作業は避けるか他人に任せていた。

(さらに漢字音痴が世界ランキング級で全然漢字が書けない。かなりひどい。)

私の高校生時代のノートがあったのでスキャンした

学生時代のノート

字が汚すぎて「まじくそ」が出てしまったようだが、本当に汚いことが確認できる。

字が汚い → ノートは見ない

字が汚いということはノートが読みにくい。必然的にテストで必要に迫られなければ、ほぼノートを読み返すことは無かった。

特に大学時代のノートは全くと行って読み返した記憶がない。

勉強にノートなどいらない説

大人になって勉強をする上でノートが不要だということは初めから気づいていた。そもそもPCの上で学習するほうが効率がよく自分でノートを書いている時間がもったいない。

だが、何か違和感を感じていた。

手を動かしたくなる:健身球

なにか書きたい欲求ではなく、純粋に手が暇なのだ。

そこで初めにこんなものを買ってみた。

健身球

健身球というらしい。次のASMR動画が分かりやすい。

これを左手で回しながら勉強しているとカラカラと不思議な音がしてリラックスできる。

これは個人的に今でも好きだが勉強中に使うにはデメリットが多すぎる。よく落とすし、置いても転がる。やはりちょっと煩い。

次に試したもの:カード

というわけで代替案を探す。

何年も前に友人が置いていったアーケードゲームの廃棄カードがあった。ゴミになっても良いものだそうだが、なんとなく勿体なくて保管してあった。

カード

★なぜか浅井蔵屋という魅惑的なカードだけ20枚近く揃っている。

これをシャッフルしたり並べたり。どうだろうか。

この方法はかなりリラックスできた。アーケードゲームのカードと言いながら紙質が良く(恐らくゲームの盤上で動かすため物理的耐性が付けてある)触っている感覚と滑る感覚が心地よい。

しばらくこの方法が私のベストだった。

どうせ手を動かすなら:ノート?

ここでふと気づく。どうせ手を動かすならノートに文字を書いてみればいいのでは?と。

いやいや、ノートに文字を書いている時間がもったいないと言っていたではないか。

何より私は字が汚いではないか。

気がついたらネットで文字を書くことを楽しんでいる人たちがどういう人達かを調べていた。

万年筆を集めている人たちが楽しそうだった

文字を書くことを練習している層は少し厳しい印象だった。ミリ単位のズレや筆圧を追求する世界がそこにあった。

しかし、ネットで調べていくと書くことを誰より楽しんでいるのが万年筆のコレクターだと気づいた。

彼らは文字が上手か下手かをあまり気にしない。それでも書くことをとにかく楽しんでいる。

そして楽しむとは、書くだけでなくその筆の美しさも楽しむことでもあると教えられた。

ただ握っているだけで楽しそうだ。コレだと思った。

万年筆は辞めておけと言われた

その一方で物書きを趣味としている友人から辞めておけと言われた。どうやらメンテが大変らしい。基本毎日使わなければダメになり、インクの扱いも難しいらしい。

だがそれがいい

安くて評価がよさげな「プラチナ万年筆のプロシオン」なんとなく買ってしまった。

プラチナ万年筆のプロシオン

そして、これが想像通りで書いているのが楽しいではないか。普通のペンと違い筆圧をかけなくてもインクが乗る。

もっと早く教えてほしかった。

調べてみるとインク漏れやインク詰まり等はビンテージの万年筆を愛用している人にとっての意見らしい。最近の万年筆はより扱いやすくなっており、特にプロシオンは全然使わなくてもダメになりにくい構造だそう。

意外な事に気づいた:集中力向上

使っているうちに集中力が上がる事がわかった。

今まではどうしてもPCの画面を見ているとWEBサイトを調べたりSNSに気を取られたりしていたが、画面からノートに目を移すことでDistractionが減ったのだ。

これは素晴らしい発見だったが、良いことばかりではなかった

集中できても、勉強時間は変わらない

結局、注意散漫になっていた時間がノートに向かっている時間になっただけなのでトータルが短縮されることはなかった。むしろ伸びている気すらする。

どうしたか

書くことは非常に楽しく、加えて集中力アップと言うメリットの反面、時間が有効活用されていない印象が残ってしまった。

そこで考えたのが**「集中力が低い時にだけノートに書く」**という方法を考えた。

これが自分のコンディションに合わせて勉強効率を落とさない良い方法となった。

★未だに万年筆とセットでカードをイジる手法も組み合わせている。カードの素晴らしさも改めて伝えたい。

もう一本買ってしまった

万年筆で「書くことを楽しむ」層の話を聞いているうちにパイロットの「フォルカンニブ」というペン先を使っている人が興奮しまくっていることを知る。

他よりも柔らかいペン先で文字にとめ・はね・はらいに強弱がつくらしい。ただし筆圧に集中する必要があるらしく気軽に使うにはじゃじゃ馬らしい。

あえて使ってみたくなってしまい買ってしまった。

パイロットのカスタム743。フォルカンニブ。

パイロットのカスタム743

相変わらず日本語の文字が下手くそなので英語の筆記体の写真でかっこよくしたかっただけの写真となったが、これはこれで面白い。

書くことそのものが楽しい

勉強は置いておいて、生涯これまで「文字を書く」事が楽しいと感じた時期はなかった。

これは本当に良い発見だ。

ぜひとも皆にもなにか一本万年筆を持ってみてもらいたいと思う。

この気持ちよさ。コレクターが存在する理由も納得だ。



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謎の技術研究部 (謎技研)