油性ニスから始まり水性ウレタンニスにたどり着いた私の久々のニス塗り記事である。
あくまで個人的な見解を含むので参考程度にとどめてもらえたらと思う。
この記事は前回テストした
の続きであるため、木材は墨汁にて色付けが完了している状態だ。
一応この記事の最初で電動サンダーでそこそこ削っているのだが...
これの甘さが後々響く結果となる。
これだけで本がひとつ書けるぐらいのボリュームがある。
というわけでシンプルにニスの選び方を考える。
市販の物は多く分けて次の3つ
他にもバイオリンのような楽器作家や家具職人は自分で煮込んだオリジナルニスも使う。
水性ニスはとにかくやめておけ(水性ウレタンニスではなく、水性ニスがダメ)とよく言われる。
初心者は値段のやすさ+塗りやすさから水性ニスを選ぶ傾向が高い。百均にもおいてあるのも理由の一つだろう。
一つだけ問題があり乾かした後ベトつきが取れない報告が非常に多い。
しかも水性なので最も耐性が弱い。
水性ニスはニスの特性を研究し尽くした上級者が使うものであると考えている。
ワシンペイントによると「室内に飾っておく工作品」に使うものらしい(家具のようなものには不向き?)
さて、私がおすすめする水性ウレタンニスは水性ニスとどうちがうのだろうか。
また水性ニスと同様に水で薄めるだけで使えるので伸びもよく刷毛も固まりにくいため非常に楽。
とにかくベタつかずしっかり固まるのが強み。
油性ニスとくらべて塗りムラも少ない。
値段が高い。コレに限る。
ニス類の中で一番高い(後述)
また、上手に塗れた油性ニスに比べて仕上がりが安っぽくなる印象がある。ビニールを貼り付けてるようなツヤ...?
これは私も十分な塗り数をこなしていないので分からないが研磨までしっかり行えば美しく仕上がる可能性はある。
油性ニスのメリットは
まず一番の理由はおそらく木材を保護するため。
油性ニスは一番強いのでテーブル等にはもってこい。
そして値段も安く、うまく塗れた場合磨いていくとキラキラになる。
油性ニス塗りはとにかく「塗りムラ」との勝負である。
素人が気軽に油性ニスに手をだすと塗ったところがガタガタになってしまう。これは間違いない。
というわけで「油性ニス」は最上級者が使うものという認識である。
例えばこんなかんじに
これはひどい(私が過去に適当に塗った作品)
それに油性ニスは水に流してはいけないし、そもそも水では洗い落とせない。
刷毛についたニスは薄め液(そこそこ効果)でジャバジャバ洗わないととれないので刷毛は実質そのまま使い捨て。
もう一度言うが、基本的に水道に流していいものではないので注意。
とにかく扱いが難しい。熟練の技術を要するので今回は使わない。初心者には不向きだ。
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で価格を調べた。ブランドとして信頼のある和信ペイントのもの。
安い順(2020/07/03時点)
300ml
で1,446円270ml
で1,520円(300ml
換算で1,689円)300ml
で1,852円やはり水性ウレタンニスが高い。
しかし、油性ニスは薄め液を買わないといけないのでトータルで見れば高い印象。
また、薄めないから液いらないと思いきや液がなければ100%ハケは使い捨て(ハケもこれで洗う)で乾燥中はハケを薄め液にひたしておかないと固まってしまうのでほぼ100%必要。
ただ私は以前薄め液ではなく水を使うという裏技をやっていた。おすすめしないができなくはない(油は水をはじくのであらえないが、ハケを水につけておくと乾燥しない効果は得られる)
基本的に私の経験から色付きニスはおすすめしない。
なぜなら、塗ったハケ跡の細かな凹凸にも色がついている状態となり
この凹凸に光が反射するため目視して塗りムラが分かりやすくなる。
じゃぁどうするの、というわけで冒頭でも書いてあるうように
先に木材にステインで色を付けた後クリアニスを塗る。
これなら塗りムラにも光は抜けてしまうため多少目立ちにくくなる。
ただ、工程が増えるので若干面倒ではあるのだが、そもそもステインも水性であれば簡単なのでよほど急ぎでなければこの方法がおすすめ。
というわけで実際に塗りながら実験していく。
水性ウレタンニス高いからなぁ...と思ったかもしれない。
最初の塗り数回は木材がニスを吸収するので結局どんどん中に入っていくだけでニスが無駄になりがち。
そこで水性サンディングシーラーを使用する。
これだけではニスの効果はないが吸収する分を埋めてくれる存在だ。
もちろんコレも購入するので費用がかさむが、これ自体は水性ウレタンニスより安いので長い目で見ればお得。
また美しく仕上げるためのコツでもあるらしい。
新品の刷毛をとにかく洗う。
刷毛は毛が沢山落ちるのでとにかく洗う。5分ぐらいあらったかな?
先端をちょんちょんとひっぱっても毛がとれてこないまで洗う。
これをやらないと塗っている表面に毛がついて固まる。
塗った後刷毛を放置すると固まってしまう。
水性だからといって一度固まった刷毛は水で洗ってもダメなので作業中はずっと水につけておく。
この状態で数日間持ち越すことをイメージしておく。
私はちょうど焼海苔のケースがゴミになっていたので再利用した。
以前は1.5Lペットボトルを切ったものを使っていた。
水が蒸発して刷毛より下にならないように継ぎ足せばフタもいらないのである。
まず、木材は前回の墨汁ステイン記事によって制作されたもの。
一応電動サンダーで表面を削っているのだが、テストだという意識でかなり適当だった。
これが後響いてくるが...ここでは知る由もない。
シーラーの塗装は思ったより適当でよい。
一応薄めて塗るのをおすすめされているが、そもそも刷毛に水が染み付いているので
ダイレクトに刷毛にシーラーを落として塗っている。
しっかり塗り込もう。
ただしタレすぎると角に溜まるので注意(後述)
乾燥時間は2時間が公式から推奨。
テストなので私は手で触って乾いていれば良いので1時間で2度めを実行。
まず1度塗りが乾いた状態
表面にツヤがでてきており美しく仕上がっている。
塗り方は同様。
ただし、今回はテストのため立てて全体を一気に塗っているが...
というのも一番下の部分を見ていただきたい。既に液の垂れが溜まっているのが見受けられる。
ニスの場合は確実にここが塗りムラになるので並行で塗り、ぬれなかった部分は分けて塗るようにしよう。
今回はシーラーがどの程度ムラになるかもテストを兼ねる。
1度目シーラーをしたときは刷毛に若干黒が移ってきていたが、2回めのシーラーの時点で既にそれがほとんどなくなっている。
色移りの保護効果としても多少作用しているように思う。
きれいに仕上がっているが、左側
先程のタレが溜まった部分の塗りムラになっている
このまま3回めを塗布。
なぜかここで刷毛の毛がどんどん抜け始める。
予め水につけておいてから洗ったほうが良いのだろうか。
木材にくっついてしまった毛に気を取られていたら木材を落下させる。
指の跡がついてしまった。
この当たりは多少研磨すればよいか。
3回目で終了でよさそう。
そもそもベースを80番でしか研磨していないのでこれはダメな例なのだが実験なので雑に400番を使っていく
まずこれが研磨前
そして研磨後
画像左側が擦れてきているのが分かるが、これは凹凸があったため。
最初の研磨が弱かったか、水で木材が浮いてきている可能性もある。
最初研磨するまえにしっかり濡らした布で拭いておくと水で浮いてくる分の木材まで研磨できるのだが、作業を行っていない。
丁度いい失敗例が撮影できた。この木材の裏面。
もともと木材の筋が浮いてきており、シーラーで水をつけたことにより更に顕著に凹凸が現れた結果
研磨時にシーラーどころかステインまで削れてしまった。
明らかに木の筋にそって剥がれているのが分かる。
研磨をしっかりしておくべきといういい例。またステインも5回ぐらいは塗っても良かったかもしれない。
つまり、水性のステイン・シーラーに関しては塗り方は思ったより適当でも問題なく
**「正しく研磨されているかどうか」**が最低条件であることが分かる。
特にステインより以前に目視で確認できる木の筋は消えるまで削っておこう。
※オイルニスの塗りは一筆入魂でやらないとハケやタレの跡がつくので更に難しくなる
既に研磨の失敗が見え始めているが、ニスまで塗っていく(失敗がより顕著になる)
和親ペイントの水性ウレタンニス。
塗り方はシーラーと一緒で適当にやった。
公式より乾燥時間は温度20度で90分がおすすめされている。
思ったより早い。
1回目が乾燥した状態。
ホコリのようなものが付いているが、恐らくニスがタレて固まったもの。
恐らくハケの水をしっかり絞っていないため薄められ過ぎてタレてシワになったと予想。
背面はよりひどくなっている。
この状態で400で磨いて再度ニス。塗布中の写真は基本一緒なので省略。
この段階でほぼ「失敗」が明らかとなってきている。
完全にタレた部分が残っている。
これはサンディングすればある程度消えると思っていたのだが...
つまり凹凸があり沈んでいる部分にはサンディングが届かないためヤスリをかけても木目の部分が削れるだけで
シワが出ている箇所まで削れない。
つまり
面が完全にフラットになるまで一度サンディングしないともう取り返しがつかない(指で触っても木目が感じられないほどまで)
ということは恐らくニス・シーラーだけでなくステインも剥がれるぐらいまで削ることになるだろう。
というわけで更に上塗りをすることなく実験を終了。
といったところが言えると思う。
というわけでサンディングからやり直して次回もう一度テストしてみたい。
電動ヤスリを使って一気に平らになるまで削り取った。
木目になっている部分を指で触って凹凸がないレベルにするのは必須だ。
また水が染み込むと木目が浮いてくる特徴があるので予め水拭きしておくのがベストかと思う。
ステインにもそこそこの水が含まれていると思うので塗りながら筋が立ってきてないかチェックするのが重要そうだ。