2020-06-03

グループでも動作するLINE BOTを作る!

LINE BOTは認証が少し厳しくBOTを作るのに戸惑う。そこで作りながら手順を記事にした。オプションを加えてグループでも動作するBOTを制作する。

Article Image

グループで動作するLINE BOT

今回はグループチャットのメッセージにも反応するLINE BOTを作成する。

とはいったものの基本的にはグループのへの参加を許可にするだけで良く(後述)あとは通常のBOTと同様。

最大の難関はSSL証明

LineのBotはSSL証明書が必要。

Let's EncryptというフリーのSSL証明書を使う方法もありそうだが、自前でサーバーを用意する場合は更に独自ドメインも必須(IPアドレスをWebhook URLに設定出来ない噂。未検証)

今回はGoogle App Scriptを使って無料で作成

幸いなことにGoogle App Script(以下GAS)という無料のサーバが存在する。

使用量に制限があるがそれを除けばSSL証明やドメイン等新規取得せず常時稼働するBOTが作成できる。

デメリットとしては

  • JavaScriptで書かなければならない
  • GAS特有のメソッドや動作概念などを学習する必要がある

とは言えそれほど難しくなく自前でサーバーを用意するぐらいならこちらのほうがよっぽど簡単かと思う。

ここから順番に私が実際にBOTを作成した手順を記す。

使用量の制限:個人利用なら余裕

Webhookを使った場合はデータ量と回数に制限がある模様。

とりあえず回数が2万回を超えなければよさそう。

不特定多数に公開する場合は厳しいかも。個人なら十分。

image-20200602155207418

画像は公式の制限

CPUの時間制限が記述されていないのが気になる。長期的に使用する場合は万が一に備えて裏で時間制限があるのではと疑っておいたほうが良さそう。

チャンネルの開設

公式の開発WEB「Line Developers」から

Messaging APIを利用するには に従ってチャンネルを開設する。

これでBOTがメッセージを送れる状態になる

たったこれだけでユーザーで言うところのアカウントが1つ作られたような状態になる。

Line Official Account Managerの「チャット」画面を通して手動でBOTからチャットを送信できるようになっている。

image-20200602133023246

グループチャットの参加を許可

グループチャットへの参加は明示的に許可しておかないと招待してもBOTが参加しない。

Line Official Account Managerから

  1. ログインしてアカウントを選択
  2. 右上の設定ボタンをクリック 2020-06-02_13h30_45
  3. 少しスクロールして「チャットへの参加」で「グループ・複数人チャットへの参加を許可する」 image-20200602132418051

追加情報:同じグループに複数の同じ配信者BOTは追加できない

2020/07/07追記

BOTは無料コースだと1ヶ月1000通しかメッセージが送れない(10人のグループなら1回で10カウント)

そこで同じアカウントから別のBOTを作ってみたところBOTごとにメッセージの最大値が1000で分けられているようなので

「もしかして複数のBOTで処理を分ければ1000通の無料枠突破できるんじゃ?」

と思って実験してみた。

しかしここもうまいこと出来ているようで一つのグループに別のBOTを招待出来ない(botがグループに参加してくれない)

恐らく別の配信者のBOTなら複数招待できて同一配信者の場合は一つのみなのではないだろうか。

実験では2BOTいた場合、片方をキックした後もう片方を招待すると入ってくるということがわかっている。

あくまで私のテストの結果なので他の方法があったり仕様が変更されることもあると思うので参考までに。

BOTモードに設定

image-20200602153659203

続けて「応答設定」で「応答モード」を「Bot」に変更。

確かデフォルトではBotになっていた記憶。私はテストで設定を変更していた。

BOTの認証

ここからBOT本体(自動でメッセージを送信するプログラム)の作成に入っていく。

誰でも勝手にBOTを操作できないようにBOT側から認証が必要。

LINE Developers側でアクセストークンを発行しておく

LINE DevelopersのConsoleを開く

Providersから該当のチャンネルを選択

image-20200602144528439

Messaging API画面から取得

私は以前取得したものが残っていたが消去というコマンドはない模様。

image-20200602144622148

ここではトークンが無効になるまでの制限時間を指定できるが0hoursにしておけば無制限となる。

Issueボタンで発行。

GASの作成

Googleドライブにログインする。

image-20200602143930882

マイドライブ>その他>Google App Script

メニューにGASが表示されていない場合はアプリを追加する必要がある。

コードをコピペ

とりあえずテストコードをコピペしてみよう。

先程のアクセストークンだけ冒頭にペーストするのを忘れないように。

const TOKEN = 'ここにトークンを入れる'

const doGet = (e) => {
    return ContentService.createTextOutput("OK")
}

const doPost = (e) => {
  const replyToken = JSON.parse(e.postData.contents).events[0].replyToken
  //userMessageにユーザーから送られてくるメッセージが入る
  const userMessage = JSON.parse(e.postData.contents).events[0].message.text
  const url = 'https://api.line.me/v2/bot/message/reply'

  const response =
  UrlFetchApp.fetch(url, {
    'headers': {
      'Content-Type': 'application/json; charset=UTF-8',
      'Authorization': 'Bearer ' + TOKEN,
    },
    'method': 'post',
    'payload': JSON.stringify({
      'replyToken': replyToken,
      'messages': [{
        'type': 'text',
        'text': 'うけるw',
      }],
    }),
    })
  return response.getResponseCode()
}

'text': 'うけるw',の行にメッセージを入れる。いまは何が送ってきても固定メッセージとなっている。

doGetはテストコードなので必要ないかも。

保存を忘れずに

ファイルから保存CTRL+Sで保存しておこう。

公開

メニューの「公開」から「ウェブアプリケーションとして導入」

初めて公開する場合ダイアログが違うが概ね一緒かと思う。

image-20200602153842311

上書きして更新する場合はProject versionnewに毎回設定すること。

image-20200602153942054

Executeは自分で良い。

次が重要!

一番下のWho has access to the appAnyone, even anonymousに設定すること。

image-20200602152536278

日本語になっている環境がある?私は英語だが、これは「匿名の接続を許可」しているのでもし日本語ならそのあたりの選択があると思う。

余談:もしこの設定を間違えて「全員」というオプションにした場合、これは匿名を弾いているのでLINE BOTで使用できない。

「更新」ボタンを押す。

image-20200602154029999

ここにWebhookのURLが表示されている(コピーしにくいがWindowsならトリプルクリックすると全部選択できる)

これでBOT側のプログラムが完成した。

LINE Developers側の設定

次は先程のBOTにLINE側から接続する。

メッセージに反応するたびにこのURLにPOSTが送られる模様。

image-20200602154135111

Webhook URLは先程のURLを入れる。

Verifyボタンを押して「SUCCESS」が表示されたら完了。

Use webhookをオンにするのを忘れずに。

余談:GASを使えばSSL設定いらない

GASはデフォルトでhttpsなのでSSLの証明書関連の面倒な作業がすべてスキップできる。

Verify時にエラーが出る場合は

基本的にソースコードの改変やトークン等のコピペミスをしていなければ特別いじっている設定はないのでエラーはでないはず。

もしレスポンスコードが200ではない旨のエラーが出た場合は「匿名のアクセス」を弾いているので上記設定を見直すこと。

2020/06/02現在のテストで成功しているが、LINEGoogle側の仕様変更によりこの方法がつかえなくなる可能性はある。

完成

次のようにメッセージが送信されてくれば正常終了。

image-20200602155641557

最後に

これだけあればあとはGAS側のスクリプトを各自で用意してもらえばなんでもできるはずだ。

GASの仕組みであるトリガーと呼ばれるものを使えば特定の時間単位でスクリプトを起動できるので、メッセージに反応するだけではなく自走するBOTも作れそうだ。

GASから更に自作サーバーと通信するなどしてより重い処理やクライアント側に用意したUIから自在にBOTを操作するなんてこともできそうだ。

友人や仕事関係のグループにプログラムで生成したメッセージを一斉送信したい用途であれば全て無料でできるので試してみて欲しい。



この記事のタグ

この記事をシェア


謎の技術研究部 (謎技研)