ラインアート(Line Art)はモデルの輪郭に線を引く機能
オブジェクトを選択してグリースペンシル
> オブジェクトラインアート
外側のアウトラインだけでなく、内側にも角度がついている辺が描画されるのでアニメ風な表現が簡単にできる。
Line Art
はあくまでも「カメラとオブジェクトの間に擬似的に輪郭に線を引く機能」
したがってかならずカメラ視点からモデルを見ること
そうしないと意味不明な場所に線が出ていると混乱してしまうので注意。
かならずカメラの視点から見るようにしよう。
ここからが本題。
このラインアートは簡単に設定できる反面「ちらつき」や「不要な線が出る」といった不具合が生じることが多々ある。
Line Art
を使って次のような結果にしたい
※キューブの前面を押し込んだ形状
だが、次のようになってしまう。
平面であるはずのところにラインが描画されてしまっている。
さらに、これをZ軸で回転させると
角度によって線がついたり消えたりする(ちらつき、点滅)
通常なら次の設定で概ね解決すると思われる。
オブジェクトモードでLine Art
オブジェクトをを選択してモディファイアからEdge Types
を調整する。
特に「クリース」と書いてある設定で角度を調整すれば微妙な角度の辺に線を描くかをコントロールできる
殆どのサイトは上の方法を解説している。
この例ではこれらの設定をいくら弄ろうとも問題は解決しない。
なぜだろうか。
このモデルはキューブの手前の面を差し込まずにそのままEキーで押し込んだものだ。
そのため重なった面が生成されているのが原因になっている。
というわけで、外側の面をほんの少しだけ引き離してやれば良い。
外の面をShiftキー
を押しながら一つずつ選択して
Sキー
でわずかに大きくする(面を離してやる)
もしくは内側の面を更に内側にズラすなど対応しよう。
とにかく重なっている面をなくすのが重要。
上の対応と同様にアニメーションやモデルの角度をいじると線が点滅することがある。
これも原因は恐らく上と同様のケースだと思われる。
ただ、どうしても複雑になってくると「どの面をどう動かせばいいかわからない」というケースもあると思う。
というわけで上で解決しなかった場合の最後の力技も紹介する
なぜかわからないが次の矢印が示す辺のLine Art
が点滅してしまう場合。
※何度も言うがこれは面が重なってしまっているため起こっているが、ここでは面移動ではほかの不都合があるという仮定。
編集モードで問題が生じている辺を選択。
Eキー
を押して線を押し出し、ほんのちょっとズラしたところでクリックして確定
※この作業は辺を二重にする作業になるので注意
またはGキー
で辺をのものをズラしても良いと思うが、元モデルが壊れる可能性があるのでこちらも慎重に。
消えてしまっている辺の上に新しい辺を追加したためラインアートが描画された。
これは辺の上にわずかにズラした辺を追加しているので正直あまりよろしい解決策ではない。
特にモデルデータを別のプロジェクトで再利用したりする場合は逆に無駄な辺が描画される可能性があるのであくまで「最後の手段」として認識してもらえたらと思う。
これはおまけ記事。
次は線を消すのではなく「追加」したい場合。
例えば次の赤く線をひいた当たりにラインアートの線を入れたい。
次のように編集モードで辺を追加してもラインアートとして描画されない
※同一平面上にあるので辺が描画対象にならない
線を入れたい辺を選択後、右クリックからFreestyle辺をマーク
すると緑色にマークされるので
オブジェクトモードに戻ると辺の上に線が描画されている。
またFreestyle辺をクリア
を押せば一度付けた線は消せる。
この方法はあくまでも何も描画されていない辺をLine Artの描画対象にするだけだ。
つまり初めから描画されている線に対して「Freestyle辺をクリア」してもなにも効果がない
あくまでクリアはこの方法で無理矢理付けた線を消すためだけのもの。
Line Art
を使った作品を作っていてなぜか解決できない線が出てきてしまったため様々な試行錯誤を行ったが、結局はシンプルな理由だった。
あくまで私が試した範囲なので別の解決策があるかもしれない。
線がちらつく場合は最後の力技も含め一つの方法として試してみてもらえたらと思う。