2022-07-26

【Geometry Nodes】Set Position(位置設定)ノード【Blender】

ジオメトリの位置を移動するノード。特にこの特定の頂点だけ移動するなどが可能なので入力ソケットを詳しく解説。

Article Image
使用ソフトウェアバージョン備考
Blender3.2

Set Positionノード

日本語:位置指定

Set Positionノード外観

概要

ジオメトリの位置を移動するノード。

Set Position前

Set Position後

さらに、このノードは特定の頂点だけを個別に移動する事ができる。

すなわち単純な位置指定と考えるよりジオメトリの変形にも効果を発揮するノード

カプセル形状に変形

半球だけ移動したことにより変形の効果も出せる。

出し方

Geometry(ジオメトリ) => Set Position(位置指定)

前提条件

このノードを使いこなすにはフィールドの概念理解が必須。

フィールドソケット外観

「ひし形の入力ソケット」の意味がわからない場合は次の記事を参照。

【Geometry Nodes】フィールドって何?PositionやIndexの使い方【Blender】 | 謎の技術研究部

使い方

入力はシンプルに見えるが少しむずかしい。

理解すべき順番で解説する。

Offset

日本語:オフセット

Offset入力外観

おそらく最もよく使うソケット。

これは現在の位置から相対的に移動する距離を指定している。

よって、単純な移動であればここに数値を入力すれば良い。

原点から2.5m移動する例

フィールド値を使うと

またOffsetはフィールドなのでバラバラの値を入れてやることが可能。

例えばNoise Texture(なめらかなランダム値)を入れてやると

面がガタガタになった例

ノード例

このようにフィールドを使うことで移動ではなく変形の効果を出すことができる。

Selection

日本語:選択

Selection外観

Selectionの理解が望ましいが、フィールドが理解できていれば特定の場所にだけSet Positionするという意味は分かるかと思う。

詳しくは次を参照。

【Geometry Nodes】Selection(選択)って何【Blender】 | 謎の技術研究部

このSelectionを使って移動する箇所を限定することが出来る。

冒頭でカプセル状の球を作った例は次のようなノードになっている。

半球だけ移動するノード

少々強引ではあるがYが0以上の頂点にだけY軸に2.5m移動するという例

カプセル形状に変形

フィールドを利用した例と同様に特定の頂点だけ移動することで変形の効果を出すことができる。

Position

日本語:位置指定

オフセットとは違い座標を絶対値で入力して移動するソケット

Positionソケット

最も注意すべきソケット。

例で解説

すこし理解しにくいので例で解説。

PositionY=1を絶対値で入力してみよう。

絶対値でPositionするノード

すると・・・

球が消滅

球が消え去ってしまう(視点を遠くしても何もない)

なぜ

これはなぜだかわかるだろうか?

オフセットでも解説した通り、この入力はフィールドだ。

それを踏まえ上のノードは何を意味するかというと

「すべての頂点の座標を(0, 1, 0)に設定」

という意味になる。

つまり頂点すべてが(0, 1, 0)に集まってしまっており、消滅したように見えている。

Positionはいつ使うのか

私が知る限りSet Position内で回転も行いたい場合がほとんど。

回転のノードの組み方

Vector Rotateの解説はしないが、このようにすると回転ができる。

回転した

もちろん絶対値で座標を指定する場合も使えるが、理解して使用しないとジオメトリが壊れてしまうので注意しよう。

Transformとの違い

気づいている人も多いかと思うが単純な位置移動であればTransformノードがある。

例えばY軸に2m移動するのであれば次の二つのノードは同義。

Y軸に2m移動するノード、Set PositionとTransform

TransformRotationScaleがついているので違うものという認識よりも

picture 19

このように入力ソケットがフィールドになっていないことが最大の違い。

つまりTransformでは頂点ごとに別の値を指定できないので特殊な変形が一切できない。

入力できるジオトリはメッシュだけでなくカーブや頂点の集まりのようなものもあるので、単一の移動だけでは不十分なことがしばしば。

各頂点ごとに別々の位置調整が必要ならばSet Positionを使おう。

さいごに

本当によく使うノードだが、まだまだ私も使いこなせてない感がある。

Positionソケットを使って回転するような一歩進んだ使い方が他にもあるかもしれないので注目しておきたい。



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謎の技術研究部 (謎技研)