使用ソフトウェア | バージョン | 備考 |
---|---|---|
Blender | 3.3.0 |
例えば次のような左右非対称のモデルがあったとすると
左反面を右にコピーして次のような左右対称にしたい
しかし、こういったケースでは「ミラーモディファイアを使おう」というような解説が多い。
実際上にミラーモディファイアを使ってしまうと次のように失敗する。
ミラーモディファイアを使った場合、簡単に説明すると
というような処理がされる。
したがってもともと半面だけになっていないメッシュに使うと重複が起こる。
今回やりたいことは
これならメッシュが重複することはない。
まずはSymmetrize
(対象化)を使う方法。
こちらの方法ではミラーモディファイアを使うこと無く対象化できる。
Mesh > Symmetrize
を選択(日本語:メッシュ > 対象化
)これで完成
上の例で左を右にコピーするのではなく、その逆にしたい場合もあると思う。
その場合はとりあえずSymmetrize
をクリックした後、左下の設定で左右を逆にできる。
この画面が出ているのでDirection
(日本語:方向)を+X to -X
に変更してみる。
この設定は各モデルの対象化したい軸によって変わるので思った通りの軸になるように色々試してみる。
このまま左右対称を維持したまま編集したい場合は右上のXYZが書いてあるスイッチのどれかをオンにしよう
この例の場合はX軸で対象化したいのでXをオンにする
この方法はミラーモディファイアを使わずに完全に左右対称なモデルを生成する方法である。
したがって、何らかの操作によって左右対称ではない頂点が作られた場合、左右対称を保ったまま編集できなくなることがある。
v3.3現在でよくある例としてナイフツールを使ったときに、左右非対称になってしまう
もし単に頂点が少しズレただけであれば次で解決できるので参考にしてほしい。
【Blender】左右対称に編集したい時に使う「対称にスナップ」機能を解説 | 謎の技術研究部
次のやり方はデフォルトで入っているがオフになっているプラグインAuto Mirror
を使う例。
まずはプラグインでAuto Mirror
をオンにする(初心者すぎるため手順は省略)
編集モードでもオブジェクトモードでもいいので対象化したいオブジェクトを選択。
ツールシェルフのEdit
(編集)タブを開くとAuto Mirror
が増えているはず。
ツールシェルフが消えてしまっている場合はビューポート上でN
キーで出てくるはず。
あとはXYZ
軸のどれを中央でミラーするのかを確認(左右逆にするにはOrientation
も調整)
最後にAutoMirror
ボタンを押す
このプラグインのより詳しい使い方は他の記事を参照してもらいたい。
この方法は半面を削除した後、ミラーモディファイアを設定するという手順を自動化してくれる方法である。
したがって実行後にミラーモディファイアが新しく追加される。
外部にデータを出力するときなどは適用するのを忘れないようにする。
この方法を使って思ってたのと違う軸で設定してしまったときにctrl + z
でうまく戻らない時がある。
特にモディファイアが残ってしまうのでもとに戻したい場合は要注意。
ミラーモディファイアやオートミラー自体は知る人ぞ知るプラグインなので今更解説するまでもないと言われればそうである。
しかし「うまく対象化できない」「ミラーモディファイアの挙動が思っていたのと違う」「ミラーモディファイアを使わずに対象化したい」といった逆引き的なアプローチで書いてある記事が少なかったためそちらをターゲットとして記事を作ってみた。
役に立てば幸いだ。