2022-10-19

【Blender】左右対象にしたいのにミラーモディファイアがうまくいかない時(重複してしまう)

左右対称編集をしたいときにミラーモディファイアを当てると重複した面ができてしまう時がある。そんな時の解決法。

Article Image
使用ソフトウェアバージョン備考
Blender3.3.0

左右対称にしたい

例えば次のような左右非対称のモデルがあったとすると

左右非対称のモデル

左反面を右にコピーして次のような左右対称にしたい

左右対称になった例

しかし、こういったケースでは「ミラーモディファイアを使おう」というような解説が多い。

実際上にミラーモディファイアを使ってしまうと次のように失敗する。

ミラーモディファイア失敗例1

何が起こっているのか

ミラーモディファイアを使った場合、簡単に説明すると

  • 中央より左にあったものを右に反転コピー
  • 中央より右にあったものを左に反転コピー

というような処理がされる。

したがってもともと半面だけになっていないメッシュに使うと重複が起こる。

今回やりたいことは

  • 中央より左にあったものを右に反転コピー
  • 中央より右にある形状は無視(削除)

これならメッシュが重複することはない。

やり方1「Symmetrize」

まずはSymmetrize(対象化)を使う方法。

こちらの方法ではミラーモディファイアを使うこと無く対象化できる。

  1. 編集モードに入る
  2. Aキーでメッシュを全選択
  3. 上のメニューからMesh > Symmetrizeを選択(日本語:メッシュ > 対象化)

全選択

メニューの位置

これで完成

完成

対象化が逆!

上の例で左を右にコピーするのではなく、その逆にしたい場合もあると思う。

その場合はとりあえずSymmetrizeをクリックした後、左下の設定で左右を逆にできる。

ダイアログ

この画面が出ているのでDirection(日本語:方向)を+X to -Xに変更してみる。

設定後

この設定は各モデルの対象化したい軸によって変わるので思った通りの軸になるように色々試してみる。

対象化したまま編集したい時

このまま左右対称を維持したまま編集したい場合は右上のXYZが書いてあるスイッチのどれかをオンにしよう

この例の場合はX軸で対象化したいのでXをオンにする

対象編集モード

編集した例

この方法のデメリット

この方法はミラーモディファイアを使わずに完全に左右対称なモデルを生成する方法である。

したがって、何らかの操作によって左右対称ではない頂点が作られた場合、左右対称を保ったまま編集できなくなることがある。

v3.3現在でよくある例としてナイフツールを使ったときに、左右非対称になってしまう

もし単に頂点が少しズレただけであれば次で解決できるので参考にしてほしい。

【Blender】左右対称に編集したい時に使う「対称にスナップ」機能を解説 | 謎の技術研究部

やり方2「Auto Mirror」

次のやり方はデフォルトで入っているがオフになっているプラグインAuto Mirrorを使う例。

まずはプラグインでAuto Mirrorをオンにする(初心者すぎるため手順は省略)

プラグインをオン

編集モードでもオブジェクトモードでもいいので対象化したいオブジェクトを選択。

ツールシェルフのEdit(編集)タブを開くとAuto Mirrorが増えているはず。

タブの位置

ツールシェルフが消えてしまっている場合はビューポート上でNキーで出てくるはず。

あとはXYZ軸のどれを中央でミラーするのかを確認(左右逆にするにはOrientationも調整)

最後にAutoMirrorボタンを押す

実行

結果

このプラグインのより詳しい使い方は他の記事を参照してもらいたい。

ミラーモディファイアが追加されている点に注意

モディファイアが増えている

この方法は半面を削除した後、ミラーモディファイアを設定するという手順を自動化してくれる方法である。

したがって実行後にミラーモディファイアが新しく追加される。

外部にデータを出力するときなどは適用するのを忘れないようにする。

この方法のデメリット

この方法を使って思ってたのと違う軸で設定してしまったときにctrl + zでうまく戻らない時がある。

特にモディファイアが残ってしまうのでもとに戻したい場合は要注意。

さいごに

ミラーモディファイアやオートミラー自体は知る人ぞ知るプラグインなので今更解説するまでもないと言われればそうである。

しかし「うまく対象化できない」「ミラーモディファイアの挙動が思っていたのと違う」「ミラーモディファイアを使わずに対象化したい」といった逆引き的なアプローチで書いてある記事が少なかったためそちらをターゲットとして記事を作ってみた。

役に立てば幸いだ。



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謎の技術研究部 (謎技研)